高齢化社会である日本。
介護業界の需要は常に高く、家族の介護に悩む人は少なくありません。
今回は、そんな介護に悩む家族や本人を支える「介護タクシー運転手」について紹介。

介護タクシー運転手になるために必要な資格は?
介護経験がないと就職は難しい?

といった点についてリクルーター目線で詳しく解説。
転職に失敗しないためにも、会社を探す際のポイントを知っておきましょう。

《目次》

・介護タクシーとは
 福祉タクシーとは何が違う?
・介護タクシー運転手に必要な資格
 【資格①】普通自動車二種免許
 【資格②】介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
・介護タクシー運転手に役立つ資格
 【資格①】サービス介助士(ケアフィッター)
 【資格②】ハートフルアドバイザー研修
 【資格③】ユニバーサルドライバー研修
 【資格④】普通救命講習
 【資格⑤】患者等搬送乗務員基礎講習
・介護タクシー運転手に向いているのはどんな人?
・介護タクシー運転手の仕事の流れ
 ケアアテンダントの1日
・介護タクシー運転手の給与額
・介護タクシー運転手になるためには?
 ①タクシー会社で働く
 ②個人タクシーを開業する
・介護タクシーなら、あんしんネット!
・まとめ

介護タクシーとは

介護タクシー 仕事内容 福祉タクシー 違い

介護タクシーとは、高齢者や身体が不自由な方など、公共交通機関での移動が困難な方のために特化したタクシーサービスのことです。
通常のタクシーとは異なり車両は、車いすやストレッチャーのまま乗降できるストレッチャー付きの福祉車両を使用することが一般的。
利用者の安全はもちろん、乗降時のドライバーや家族への負担軽減にも配慮した車両となっています。

基本的に介護タクシーは予約制。
街中で手をあげて乗車する一般タクシーのように街中でお客様を探すことはありません。
通院は事前に日時が決まっていることが多いため、予約しておけば時間通りに自宅から目的地まで送迎してくれる介護タクシーは利用者にも家族にも重宝される存在です。

介護タクシーは通院や役所での手続き、補聴器の調整など、さまざまな場面で利用ができるため、利用者だけでなく家族の負担も軽減。
高齢化が進む日本では、介護タクシーの需要が今後ますます高まると予想されており、各タクシー会社でも介護タクシーサービスを始める会社が増えています。

福祉タクシーとは何が違う?

介護タクシーとよく混同されるのが「福祉タクシー」です。
福祉タクシーとは、介護タクシーとよく似たサービスですが「利用者への介助を行わない」という点が介護タクシーとは大きく異なる点です。

福祉タクシーでは、基本的に利用者の家族や付き添いの方がサポートを行うことを前提としており、運転手は移動のみを担います。
介護タクシーは要介護1~5の人が利用できる一方で、福祉タクシーの場合は要介護認定を受けていない人や、知的障がい・精神障がいの人も利用可能です。
介護保険が適応されないため全額自己負担となってしまいますが、介護タクシーと同じく予約制でありながらも、利用できる幅が広くあります。

例えば、介護タクシーの場合基本的に家族の同乗は認められません。
介護保険が適用されるのは利用者本人のみであり、介護タクシーの運転手が専門的な介助を行うためです。
その他、介護タクシーは私用(旅行や映画など)では利用できませんが、福祉タクシーであればどのような目的でも利用できるため、家族でのお出かけや旅行、冠婚葬祭にも利用できます。

通常のタクシー運転手と同じ資格で福祉タクシードライバーとして活躍できるため、働くためのハードルは低いように感じますが、求人が多いのは介護タクシー運転手です。
一人暮らしの高齢者や家族の介護が難しい家庭にとっては、やはり介助まで行ってくれる介護タクシーの方が需要が高いのかもしれません。

介護タクシー運転手に必要な資格

スキル 資格 必要 必須

介護タクシー運転手として働くためには、安全な移動を提供する運転技術と、介護の知識やスキルが求められます。
そのため、以下の2つの資格が必須条件となっています。

【資格①】普通自動車二種免許

普通自動車二種免許は、お客様を乗せて運行するために必要となる資格です。
これまで普通自動車二種免許は「21歳以上かつ運転経験3年以上」が条件でしたが、道路交通法改正による条件の緩和によって「受験資格特例教習」を受ければ「19歳以上かつ運転経験1年以上」でも普通自動車二種免許を取得できるようになりました。

難易度は普通自動車免許よりも高いですが、決して取得ができない程難しいものではありません。
指定自動車学校を受講すれば講習や実技試験の対策ができるため、一発試験よりも合格率は高まります。
タクシー会社によっては、普通自動車二種免許の資格取得費用を補助してくれることもあるため、第二種免許を取得していない方は支援がある会社を選ぶと良いでしょう。

【資格②】介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、介護業務に携わる際に必要な基礎的な資格です。
介護タクシーの運転手は、利用者の乗降時に介助を求められる場面が多く、その際の正しいサポートを行うためには介護職員初任者研修が必須となっています。

受講資格に年齢や学歴、経歴は関係なく、誰でも受講可能。
「できるだけ早く取得したい!」という方向けの最短2週間で取得できるスクールや通信講座、夜間のみ・休日のみといったコースもあるため、働きながらの取得も十分目指せます。

難易度も、授業内容をしっかりと理解しておけば難しいものではないため、取得しやすい資格ともいえるでしょう。
開講スクールはさまざまあるため、自身のライフスタイルに合うスクールを選びましょう。

介護タクシー運転手に役立つ資格

役立つスキル 資格

介護タクシー運転手になるためには、先ほど紹介した普通自動車二種免許と介護職員初任者研修を取得しておけば問題はありません。

しかし、介護職員初任者研修以外にも介護タクシーに役立つ資格はあります。
介護や医療の仕事をしている方、ドライバーとしての経験がある方であれば取得している資格もあるかもしれませんが、以下の資格を持っていれば介護タクシー運転手として採用される確率が高まるかもしれませんよ。

【資格①】サービス介助士(ケアフィッター)

サービス介助士(ケアフィッター)とは、高齢の方や障がいのある方に対して必要なケアを行える人物になることを目指す資格です。
「介助士」と聞くと介護現場でのみ必要となる資格のように感じますが、さまざまなお客様と接するサービス業界全般に役立つ資格として、2024年12月現在で22万7千人もの方が取得している資格となっています。

さまざまなお客様と関わるタクシー運転手や、高齢の方・障がいのある方と関わる介護タクシー運転手にも役立つ学びが多くあります。
取得しておけばどのようなお客様に対しても冷静に対応できるようになるでしょう。

【資格②】ハートフルアドバイザー研修

ハートフルアドバイザー研修は、先ほどのサービス介助士と同様、介護や医療の現場で働く方だけでなく、さまざまな業界で高齢の方・障害のある方に対して適切な接客を行えるようにするための研修です。

サービス介助士よりも修了者は少ないものの(2023年4月の情報で修了者は3,300名~)、車椅子の利用体験や視覚障がいがある方への移動介助なども学ぶことのできる研修となっています。

【資格③】ユニバーサルドライバー研修

ユニバーサルドライバー研修とは、名前の通り運転手向けの研修です。
年齢・障害の有無に関わらず全てのお客様の接遇や介助を向上させる目的で取得を推進している研修であり、接客方法や介助方法、車いすの扱い方などを7時間という短い時間で学ぶことができます。

【資格④】普通救命講習

普通救命講習は普段の業務で役立つ技術というよりも、万が一の際に備えるための講習です。
講習内容は心肺蘇生やAEDの使い方といったもの。
介護タクシー運転手といっても業務の中で心肺蘇生やAEDが必要になる機会はないかと思いますが、念のため受講しておくと安心かもしれません。

【資格⑤】患者等搬送乗務員基礎講習

私が採用を務めるあんしんネットグループでは、資格取得支援を使用して「患者等搬送乗務員基礎講習」が受けられます。
「患者等搬送乗務員基礎講習」とは、民間救急に携わるために必要な資格です。
あんしんネットでは、介護タクシー以外にも民間救急の「ドクタカー」を担当している運転手もおり、当社から病院へ派遣するような形で勤務しています。

常にドクターカーの依頼がある訳ではないため、要請がない時間は看護補助として勤務。
看護師として勤務していた方や、医療の仕事に関わりたい方は介護タクシー運転手の経験を積んだのち、ドクターカーに挑戦するという道もありますよ。

\ドクターカードライバーについての詳細を知りたい方はこちら/
▶あんしんネット│ドクターカードライバーの募集要項

介護タクシー運転手に向いているのはどんな人?

介護タクシー 向いている人 

介護タクシー運転手は、運転技術だけでなく、利用者の身体的・心理的なサポートが求められる仕事です。
高齢の方や障害のある方に寄り添うことが必要となるため、第一に「人の役に立ちたいという」という気持ちが強い人には介護タクシーの仕事は向いているといえるでしょう。

また、利用者やご家族様を安心させるための気遣いやコミュニケーション能力も欠かせません。
介助においては、全てを手伝うのではなく相手の意思や身体を尊重しながらのサポートが必要です。
その他にも

  • 予期せぬトラブルにも動じない臨機応変な対応力と判断力
  • 安全運転への意識の強さ
  • 介助に必要な体力
  • 学ぶ意欲

も重要です。
タクシー運転手として「お客様の命を預かっている」という責任感を持ちながらも、常に変化する介護業界の知識を学ぶ意欲も忘れてはなりません。

これらのスキルや特性が備わっていれば、これまで介護や医療の経験がない人でも介護タクシー運転手として働くことは十分可能です。
実際、あんしんネットグループでは「人の役に立つ仕事がしたい」といった理由で入社する方が多く、面接時にも経歴だけで判断することはありません。
「親の介護経験がきっかけ」といった動機や、「将来に備えて介護に携わりたい」といったミドル層の応募も増えており、世代を問わず人気のドライバー業務となっています。

利用者を支えるやりがいと責任感を感じながら働ける介護タクシー運転手は「人の役に立ちたい」「やりがいを持って働きたい」と考える方には、ぴったりの職業なのかもしれません。

介護タクシー運転手の仕事の流れ

タクシードライバーの1日 介護タクシー 運転手

介護タクシー運転手は介護が必要な方が周囲にいなければ、中々目にすることはない職業です。
ここからはあんしんネットで介護タクシーのポジションを担う「ケアアテンダント」の1日について見てみましょう。

ケアアテンダントの1日

あんしんネットが所属するつばめグループでは、地域密着のサービスを重視。
そのため、業務は介護タクシーとしてだけでなく利用者様からの万が一の緊急通報に対応する「24時間かけつけ介護」や徘徊した高齢の方を探す「見つけたくん」というサービスもケアドライバーの仕事に含まれます。
ケアドライバーとしての業務が無い場合は通常のタクシー業務を行っていただくことになりますが、通常のタクシー業務でもお客様の年齢は高め。
実質、ケアドライバーと通常のタクシー業務では線引きはあまり感じられません。

どのような仕事のスケジュールになるのか、前職で介護士だったYさんの1日を教えてもらいました。

7時00分~ 出庫

朝の出勤と共に点呼を行い、1日の予約状況の確認や車両の点検を行います。
「朝早いなぁ…」と思ってしまった方も大丈夫◎
出勤時刻はライフスタイルに合わせて選べるため、柔軟に調整できます。

7時30分~ 勤務スタート

出庫後は予約のある利用者様を順に病院へ送迎します。
朝の時間帯は一般のタクシーも病院送迎が多め。
同僚と社外で顔を合わせることもあり、頑張っている仲間を見てより気が引きしまります。

9時00分~ 一般タクシー業務

朝の送迎予約が完了したため、一般タクシー業務に入ります。
外回りの営業の方や役所・買い物に向かう方の送迎をメインに行います。

12時30分~ 休憩

お客様が途切れた所で休憩です。
ケアアテンダント含む運転手には「何時から何時まで休憩しなさい」という決まりはありません。
自分の好きなタイミングでいつでも休憩ができます。
ケアアテンダントの場合は午後にも予約が入っていることが多いため、予約の時間を考慮しながら休憩をとらなければなりません。
お客様の命を預かる仕事であるため「疲れたな」と感じた際には無理はせず、休むことが大切。
午前中忙しかった日には、自分へのご褒美として人気店のランチを楽しむこともありますよ。

13時30分~ 予約対応

休憩を終え、午後予約の利用者様を対応します。
何度も利用してくれる方はすっかり顔なじみになり、車内でも話が弾みます。

介護士だった頃は毎日の業務が忙しく、中々利用者様と1対1でゆっくりお話する機会がありませんでしたが、ケアアテンダントを初めてからは移動中は1対1で向き合うことができます。
しばらく利用がないと不安になったり、大きな手術を控えている利用者様がいると心配になることもありますが

「いつもありがとうね」
「○○さんだと安心するよ」

といった嬉しい言葉を直接貰えることもあるため、個人的には「転職して良かったな」と思っています。

15時00分~ 休憩

予約対応が終了した所で午後の休憩です。
シフトにもよりますが、休憩は最大3時間取得可能。
少し眠気を感じるため今日は仮眠を取ることにしました。
日によってコーヒーを飲んでラジオを聴いたり、身体をリフレッシュするために少し散歩したりすることもあります。

16時00分~ 一般タクシー業務

仮眠を終えた所で、再び一般タクシー業務へ。
夕方という時間帯もあり、自宅に帰る人たちも多くいますが夜勤に向かう人も現れ始めます。

17時30分~ 入庫作業

お客様が途切れた所でガソリンを給油、洗車し、営業所へ戻ります。

18時00分~ 勤務終了

車を入庫し、売上を清算。
日報を提出し、業務は終了です。

介護タクシー運転手の給与額

介護タクシードライバー 給与 月給 運転手

介護タクシーに興味のある方や転職を考えている方にとって、給与額は無視できないポイントです。
介護タクシーを含むタクシー運転手の給与は地域や会社の規模、給与形態でかなりの差があり、平均値としては令和5年で33万9,000円/月、ボーナスを含めた年収で419万円となっています。

一般タクシーの場合、歩合制が基本ですが、介護タクシーの場合は固定給を採用している会社もあります。
固定給は毎月の給与が安定している一方で、歩合給よりも毎月の額は下がります。
安定を求めるのか、頑張り次第で給与が決定する方が良いのか、どちらが良いかは人それぞれ異なるでしょう。

介護タクシー運転手として働きたいのであれば、給与形態についてもしっかりと確認しておきましょう。

(参考:令和5年賃金構造基本統計調査

介護タクシー運転手になるためには?

介護タクシードライバー 運転手 なるためには

介護タクシー運転手になる方法は大きく2つあります。
1つはタクシー会社で働くこともう1つは個人タクシーを開業することです。
全くの初心者で開業はハードルが高すぎるかもしれませんが、ある程度タクシー会社で経験を積んだのち、個人タクシーを開業する人は少なくありません。
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。

①タクシー会社で働く

未経験から介護タクシー運転手を目指す場合、まずはタクシー会社で経験を積むのが一般的です。
多くのタクシー会社では、普通自動車二種免許の取得を支援する制度が整っており、費用の一部または全額を補助してくれることは少なくありません。
未経験に対する研修や制度も充実しているため、まずはタクシー会社で経験を積むのが1番と言えるでしょう。

タクシー会社で基本的な業務や接客、運転スキルを学べるため、初心者にとっては安心してスタートできる環境です。
介護タクシーに特化した会社であれば、利用者への介助方法や必要な資格取得についてもサポートが受けられます。

②個人タクシーを開業する

ある程度経験を積んだ後に、個人タクシーを開業する選択肢もあります。
個人タクシーでは、自分で営業スタイルを決められるため、自由度が非常に高いのが特徴です。
たとえば、特定の地域に特化したサービスを提供したり、時間や予約制限を柔軟に調整したりすることができるのも個人タクシーの魅力でしょう。

しかし、どんな方でも個人タクシーを開業できるとは限らず

  • 二種免許を取得しているドライバーがいること
  • 運行管理・整備管理ができる人材がいること
  • 営業所や車両があること

など、いくつかの条件をクリアする必要があります。

人材に関しては1人でドライバー兼運行管理・整備管理を行っても問題はありませんが、個人タクシーを開業するのであれば運転技術だけでなく、経営感覚や営業力も必要となります。

ドライバー以外の業務の負担も必要になることは覚悟しておかなければならないでしょう。

介護タクシーなら、あんしんネット!

名古屋 転職 タクシー

先ほど紹介したあんしんネットの「ケアアテンダント」では

資格取得支援:普通免許があれば二種免許、介護職員初任者研修の取得費用を支援
安心の研修制度:元介護タクシードライバ―のアドバイザーが独り立ちをサポート
安定した仕事量:ご高齢者様の送迎以外にも幅広い移動サービスを行い、安定した仕事量を維持
選べるシフト:月の半分が休み
になるシフトや、週休三日制もOK◎日勤のみも選べます
高収入が目指せる:初年度平均年収は528万円!スキルを活かし介護施設からの転職者も在籍
スキルを伸ばせる:実務経験を積み、国家資格である介護福祉士の資格取得も目指せる

といった、未経験者でもできるだけ早く独り立ちができるようになるための支援が充実しています。

厚生労働省愛知労働局から「働き方改革」に積極的に取り組んでいる企業として「AICHI WISH企業」としても認定されており、働きやすさは名古屋市・東海地方でもダントツ。
随時説明会も行っているため、下記の応募フォームからお気軽にお問い合わせください。

まとめ

介護タクシー 女性 男性

介護タクシー運転手に特別なスキルや経験は必要ありません。
普通自動車二種免許や介護職員初任者研修は入社後に取得することで問題ないとしている会社もあるため、自分が持っている資格や経験に合わせて会社を選ぶと良いでしょう。

\タクシー運転手の働き方、年収をもっと知りたい方はこちら/
▶あんしんネット│各ドライバーの募集要項

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